繁体字中国語字幕の表記ルール:1行の文字数・句読点・改行基準(スタイルシート付き)

作者: Taption Team | 2026年10月30日 | 16分で読める

繁体字中国語の字幕には、すべての媒体にそのまま適用できる統一基準はありません。作業を始める前に、まず納品先プラットフォームと画面のアスペクト比を確認する必要があります。公開規定として最も体系化されているNetflix『繁体字中国語タイムドテキストスタイルガイド』を例にとると、通常字幕は1行あたり最大16文字(中国語原音に対する同一言語のバリアフリー字幕[SDH]は、必要に応じて最大18文字)、1字幕(1イベント)あたり最大2行、一般(成人)向け作品の読書速度は1秒あたり9文字(9 CPS)以下と定められています。また、全編を通して句点(。)は一切使わず、行末や文末に全角コンマ(,)や頓号(並列を表す読点「、」)も付けません。一方、YouTubeや企業の16:9横型動画にはシステム上の文字数制限がなく、現場では1行14〜18文字に収めるのが一般的です。さらにShorts、Reels、TikTokなどの9:16縦型ショート動画では、画面の右側や下部にUIボタンが重なるため、1行10〜14文字まで短く調整します。

本記事では、Netflixの繁体字中国語ガイドライン、台湾教育部の書面向け句読点規定、そしてYouTubeや縦型ショート動画における実務上の慣習を比較しながら、混同されやすい句読点と改行・分割の細則を整理します。あわせて、12.6秒の会話クリップを使ったSRTファイルの修正実例(CPSの検算表付き)と、編集者・翻訳者・外部委託先へそのまま共有できる「プロジェクト用字幕スタイルシート」も掲載しています。

繁体字中国語字幕の表記ルール図解:画面下部に配置された下広がりの2行字幕と、音声波形に合わせたタイムライン分割

4つの主要シーン別・繁体字中国語字幕の仕様早見表

細かなルールを適用する前に、どれがプラットフォームの明文化された納品規定(違反するとシステムQCや試写チェックで差し戻される項目)で、どれが業界で一般的な実務上の目安(フォントサイズや画面レイアウトに応じて微調整できる範囲)なのかを切り分けておきましょう。

繁体字中国語字幕と正式な書面原稿の仕様比較(2026年10月確認)
確認項目Netflix 配信向け納品
(公式の明文規定)
YouTube/企業 16:9
(一般的な実務上の目安)
9:16 縦型ショート動画
(一般的な実務上の目安)
正式な書面/文字起こし原稿
(台湾教育部の句読点規定)
1行あたりの文字数上限通常字幕 16文字、中国語原音の同一言語バリアフリー字幕(SDH)は必要に応じて最大 18文字単一言語は約 14〜18文字、中英二言語併記時は中国語 14〜16文字 推奨約 10〜14文字(大きめのフォントサイズとセーフゾーン幅に合わせる)1行の文字数制限なし(自然な段落で改行)
1字幕あたりの最大行数最大 2行(上限以内なら1行を優先。効果音タグを含むSDHはやむを得ない場合のみ最大3行)単一言語は 1行 優先(必要時のみ2行)。二言語併記は上段:中国語・下段:英語の計2行1行 優先(最大でも短い2行までとし、被写体を隠さない)該当なし
読書速度(CPS)と表示時間一般(成人)向け ≤ 9文字/秒、子ども向け ≤ 7文字/秒(SDHは一般向け ≤ 11、子ども向け ≤ 9)。1字幕あたり 5/6秒(約0.83秒)〜7秒目安は 7〜9文字/秒以下(≤ 7〜9 CPS)。ちらつき防止のため1字幕あたり最低約1秒は表示速いカット割りや発話テンポに合わせるが、短文でも最低約0.8秒の確保を推奨該当なし
文末の句読点句点(。)は一切不使用。行末・文末に全角コンマ(,)や頓号(、)も付けない。必要な全角 ?・! のみ残す文末の 。 と , は原則省略し、?・! は残す原則として文末の句読点は省略、または強調用の ?・! のみ残す文末の句読点(。、?、!)をすべて保持
文中の区切り処理16文字以内なら1行にまとめ全角記号を使用(並列は頓号 、、節の区切りや引用との接続は全角コンマ ,、説明は :)。長文や明確な間がある場合は改行・字幕分割(行末にコンマは残さない)次の字幕へ分割するか、動画全体で「全角コンマ(,)を残す」か「半角スペースにする」かを統一原則として次の短い字幕へ分割し、文中のコンマは極力使わない標準的な全角の ,、、、;、: を使用
三点リーダー表記単一文字の …(U+2026) を指定。⋯(U+22EF)は非対応。連続する字幕へ続く文の切れ目には付けないプレーヤーや焼き付け用フォントの対応を確認後、動画全体で … または …… に統一焼き付け用フォントの対応状況に合わせて統一し、文字化け(□)を防ぐ全角2マス分の六点リーダー ……

独立した .srt/.vtt などのソフト字幕ファイルで納品するか、映像に直接文字をレンダリングする焼き付け字幕にするか迷っている場合は、先に焼き付け字幕とソフト字幕の比較ガイドをご覧ください。また、成果物が動画字幕ではなく社内報告や調査チーム向けのテキスト記録である場合は、句読点をすべて残す書面仕様を採用します(詳しくは会議文字起こしの整理・表記ガイド(繁体字中国語)をご参照ください)。

1行の文字数・読書速度(CPS)・表示秒数の計算方法

1. 1行あたりの文字数上限:記号もスペースもカウント対象

Netflixなどの配信プラットフォームにおけるタイムドテキストの品質管理(QC)では、「1行16文字」は漢字だけでなくその行に含まれる総文字数でカウントされます。全角記号(?、「」、《》 など)はもちろん、半角英数字や半角スペースもすべて1文字として数えます(ただし、一部の従来型テレビ放送用字幕システムでは半角英数字2文字を全角1文字相当で換算する場合があるため、着手前にカウント基準を確認しておくと安心です)。Netflix『繁体字中国語タイムドテキストスタイルガイド』が通常字幕の上限を16文字に定めているのは、多様な解像度の画面で横に16文字が確実に収まるよう標準フォントサイズが設計されているためです。例外として1行18文字までの緩和が認められるのは、中国語(華語)原音に対する同一言語バリアフリー字幕(SDH)で、[旁白][ナレーション]や [笑聲][笑い声]などのタグを補いながら発話内容を忠実に表記する必要がある場合に限られます。なお、承認済みのメインタイトルがどうしても自然に改行できない場合も、2つの字幕へ分割せずに文字数上限を超えることが例外的に認められています。

一方、配信プラットフォーム以外では、YouTubeヘルプ「サポートされる字幕ファイル」にある通り、YouTube側が規定しているのは .srt や .vtt のファイル構造とタイムコード形式のみであり、1行に18文字や20文字入っていてもエラーで差し戻されることはありません。ただし実際の視聴体験を考えると、次の2つの目安が実務上の境界線になります。

  • 16:9 横型動画と中英二言語字幕:繁体字中国語のみで1行18文字を超えると、スマートフォンの横画面でも視線の移動幅が大きくなります。上段に繁体字中国語、下段に英語を並べる二言語字幕では、プレーヤー内で英語行が自動的に3行目へ折り返されないよう、中国語を14〜16文字以内、英語を35〜42文字以内(スペース含む)に抑えるのが定石です。
  • 9:16 縦型ショート動画(Shorts/Reels/TikTok):縦型画面の右側約15%には「いいね」・コメント・共有ボタンが重なり、下部約20%〜25%にはアカウント名やキャプションが表示されます。1行を10〜14文字以内に絞り、表示位置を画面下端より少し上(中央寄りの下部セーフゾーン)へ引き上げることで、フォントを大きく保ったままUIとの重なりを防げます。

2. 読書速度(CPS)と最短・最長表示秒数

1行あたりの文字数が上限以内でも、視聴者が時間内に読み切れるとは限りません。字幕の読みやすさを測る中心的な指標が1秒あたりの文字数(CPS:Characters Per Second)で、計算式は その字幕の総文字数 ÷ 表示秒数 です。Netflix『タイムドテキストスタイルガイド:全般的な要件』および繁体字中国語ガイドラインに照らすと、実務で押さえるべき時間基準は3つあります。

  • 読書速度の上限:Netflixの繁体字中国語規定では、通常字幕の上限は一般(成人)向け作品で毎秒9文字(9 CPS)、子ども向け作品で毎秒7文字(7 CPS)です(同一言語SDHは一般向け毎秒11文字、子ども向け毎秒9文字まで緩和)。たとえば15文字の字幕を1.2秒しか表示しない場合、CPSは 12.5(15 ÷ 1.2)に達し、読み終える前に次の字幕へ切り替わってしまいます。9 CPS以下に収めるには少なくとも約1.67秒(15 ÷ 9 ≈ 1.67)の表示時間を確保するか、早口の発話であれば意味を変えない範囲で話し言葉の冗長な表現を削る必要があります。
  • 最短表示時間:1つの字幕は最低でも 5/6秒(約0.83秒、24 fps換算で20フレーム) 表示します。「好」[はい/わかった]や「沒錯」[その通り]といったごく短い返答を音声波形通りに0.3〜0.5秒で切ると、画面上で一瞬ちらつくだけで認識できません。次のセリフに重ならない範囲でOUT点(終了タイミング)を後ろへ延ばし、約0.85〜1.2秒の表示時間を確保します。
  • 最長表示時間:1つの字幕の表示時間は最長でも 7秒 を超えないようにします。話者の口調がゆっくりしていたり文の合間に長い沈黙があったりしても、同じ字幕が7秒を超えて画面に残り続けると「再生や字幕がフリーズした」と誤解されやすいため、息継ぎや自然な間(ポーズ)の切れ目で2つの字幕に分割します。

繁体字中国語字幕の句読点ルール:配信規定・書面語・現場慣習の違い

繁体字中国語字幕の差し戻しや制作チーム内の認識違いの多くは、「台湾教育部の書面向け句読点規定」「Netflixなどの国際配信規定」「台湾のテレビ番組やYouTuberの編集慣習」という出自の異なる3つのルールを混同することから生じます。ここで項目ごとに整理しておきましょう。

1. 句点・コンマ・「文中スペース」:公式規定と編集慣習の切り分け

  • 句点(。):Netflixの繁体字中国語規定でも台湾の大半の映像字幕でも、句点(。)は一切使用しません。字幕の切り替わりや改行そのものが文の終わりを示します。
  • 行末の全角コンマ(,)と頓号(、):各行の末尾および字幕の最後には、節を区切る全角コンマ(,)も、語句を並列する頓号(、)も付けません(※日本語の読点「、」とは異なり、繁体字中国語では文中の節の区切りに「,」、語句の列挙に「、」を使い分けます)。
  • 文中の全角コンマ vs. 半角スペース:台湾のテレビ番組やファンサブ(字幕組)、YouTubeチャンネルでは「文中のコンマをすべて半角スペース1つに置き換える」スタイルがよく見られます。しかし注意したいのは、Netflix公式の繁体字中国語規定では、文中のコンマを半角スペースに置き換えるよう求めていない点です。公式ガイドには「全編にわたり全角の中国語句読点を使用すること(2人会話のハイフンと英語略語のピリオドを除く)。行末にはコンマや頓号を付けない」と明記されており、公式例文でも16文字以内の行では文中の節や引用の接続に全角コンマが残されています(例:我最愛海灘了,因為…[ビーチが大好き、なぜなら…]、「沙呦娜啦」,改天見![「サヨナラ」、また今度!])。また、並列項目には頓号(A、B、C)、紹介や日付の説明には全角コロン(日期:1976年8月27日)を使用します。

実務での判断基準:Netflixなどの国際配信規定に準拠して納品する案件では、ガイドライン通り全角記号を使うか改行・字幕分割で処理し、独自判断で半角スペースを挿入しないでください(台湾のテレビ局・映画祭・配給会社へ納品する場合は、各発注元の仕様書を優先します)。一方、自社SNSや企業動画の焼き付け字幕であれば、「文中は全角コンマ(,)」と「文中は半角スペース」のどちらを選んでも構いませんが、動画の前半がコンマで後半がスペースといった混在が起きないよう、案件開始前に必ず一方へ統一します。

2. 疑問符・感嘆符・三点リーダー(U+2026 と連続字幕のルールに注意)

  • 疑問符と感嘆符:疑問文には全角 ? を付け、強い感情を表す箇所には全角 ! を使えます。ただしNetflixの繁体字中国語規定では、記号の組み合わせや連続使用(!?、?!、??、!!)は明確に禁止されています。
  • 三点リーダー(刪節号)の文字コードの違い:台湾教育部『重訂標點符號手冊』修訂版〈刪節號〉では、中国語の正式な書面における省略記号は全角2マス分の六点リーダー …… と定められています。しかし映像配信の現場では、Netflixが 2025年12月19日 に繁体字中国語ガイドラインを改定し、全編の三点リーダーを単一文字の Unicode U+2026(…) に統一しました。あわせてプラットフォーム側で中央配置の三点記号 U+22EF(⋯)が非対応である旨が注記され、半角ピリオドを並べた ...、....、…. も使用禁止とされています。
  • 連続する字幕へ続く文の切れ目には三点リーダーを付けない:初心者が最も間違えやすいポイントです。話者が淀みなく一文を話し続けており、単に文字数上限を超えるために前後の連続する2字幕へ分割しただけの場合、1つ目の末尾にも2つ目の冒頭にも三点リーダーは付けません(例:1つ目 我需要知道[知りたいのは]→ 2つ目 發生了什麼事[何が起きたのかだ])。三点リーダーを使うのは、次の4つのケースに限られます。①言い淀みやためらいの間がある場合(間のあとに次の字幕で同じ文が続くときは、1つ目の末尾にのみ … を付け、2つ目の冒頭には付けません)、②発言の途中で突然遮られた場合、③文の途中から字幕が始まる場合(…很有意思[…なかなか興味深い])、④セリフの途中に画面テロップや話者の肩書き表示が挟まって分断される場合(このときはテロップ前の字幕末尾とテロップ後の字幕冒頭の両方に … を付けます)。

3. 引用符・書名号・括弧・2人会話・数字の表記

  • 引用符と書名号:外側の引用には全角かぎ括弧 「」(前後にスペースなし)、引用の内部でさらに引用する場合は二重かぎ括弧 『』 を使用します。Netflixの繁体字中国語規定では、1つの引用文が複数の字幕にまたがる場合、その区間にあるすべての字幕の先頭と末尾に開き括弧・閉じ括弧の両方を付ける決まりです。映画、テレビ番組、書籍、楽曲、アルバム、新聞・雑誌などの作品名には書名号 《》 を使います。
  • 画面内テキスト(丸括弧)とバリアフリー音声タグ(角括弧):Netflixの繁体字中国語規定では、ストーリーに関わる画面上の文字(On-screen text / Forced Narrative)は (兩年後)[2年後]や (根據真人真事改編)[実話に基づく]のように全角丸括弧で囲み、登場人物のセリフと同じ字幕内に混在させてはなりません。なお、画面上のテロップ自体がすでに同じ繁体字中国語で表示されている場合や、セリフで同じ内容が読み上げられている場合は、重複して字幕を出しません。一方、同一言語SDHで画面外の話者や環境音を示す際は [旁白][ナレーション]や [敲門聲][ノックの音]のように半角角括弧を使い、同一人物の発話と動作は [小明][笑] と括弧を2つ並べるのではなく [小明笑]我想去那裡[(シャオミンが笑う)あそこへ行きたい]と1つにまとめます。
  • 同一字幕内の2人会話:Netflixの繁体字中国語規定では、1つの字幕に入れられる話者は最大2人(1人1行)までです。各行の先頭にスペースを入れず半角ハイフン - を付け、各行は前後の字幕へまたがらない意味の完結した短文にする必要があります。
  • 外国人名・イタリック体・数字:Netflixの繁体字中国語規定では、音訳した外国人名の名と姓の間に中黒(間隔号)· を入れず(例:約翰史密斯[ジョン・スミス])、全編を通してイタリック体(斜体)も一切使用しません。算用数字は半角(全角 1, 2, 3 ではなく半角 1, 2, 3)を使い、4桁の数字には桁区切りカンマを入れず(例:1800美元[1800米ドル])、1つの数詞の中で漢数字と算用数字を混在させません(すべて漢数字の 五千二百、または万・億単位を添えた 1199萬 は可、五千2百 や 1千1百9十9萬 は不可。ちょうどの時刻[正時]は 四點[4時]、曜日は 星期2 ではなく 星期二[火曜日]と表記)。繁体字の標準字体や語彙表記に迷った際は、台湾教育部『重編國語辭典修訂本』で照合できます。

改行すべきか、次の字幕に分けるべきか?実務での3つの判断原則

16文字を超える長い文が出てきたとき、1つの字幕内で2行に折り返すべきか、それとも前後の2つの字幕(ハコ)に切り分けるべきかは、次の3つの原則で判断できます。

  • 原則1(上限以内なら1行表示を優先):1行の文字数上限に収まる文(たとえば13文字)であれば、そのまま1行で表示します。見た目の左右対称を狙って無理に上下6〜7文字ずつの2行に割らないことで、映像を隠す面積を最小限に抑え、視線を上下に動かす負担も減らせます。
  • 原則2(2行にする場合は節・語句の切れ目で割り、「下広がり」を優先):Netflix『全般的な要件』および繁体字中国語ガイドラインに基づき、改行位置は句読点の直後、または接続詞(但[しかし]、因為[なぜなら]、才[〜して初めて]、如果[もし]など)・前置詞(介詞)の直前に置きます。修飾語と名詞、フルネーム、主語と動詞、否定語と動詞の間で改行してはいけません。文法的に自然な切り方が複数ある場合は、上段が短く下段が長い「下広がりのピラミッド型(Bottom-heavy pyramid)」を優先し、1行目に1〜2文字だけ残る形は避けます。
  • 原則3(2行に収まらない長文・息継ぎの間・カット変わりでは2つの字幕に分割):一文全体が約24〜32文字を超える場合、話者の明確な息継ぎの間がある場合、あるいは1字幕の表示が7秒を超えてしまう場合は、1画面に詰め込んでCPS超過を招くのではなく、タイムライン上で前後の2字幕に分割します。

以下は、20文字・表示2.8秒(約7.14 CPS)の1人のセリフ(「まず社内テストを完了してから、新バージョンの正式リリースを決めた」)で2行改行の良い例・悪い例を比較したものです。誤った例は上が長く下が短い頭でっかち(15文字/5文字)になっているうえ、「版本」[バージョン]という2文字の名詞を「新版/本」と行またぎで分断しています。正しい例は接続副詞「才」[〜して初めて]の手前で自然に改行し、意味のまとまりと9文字/11文字の下広がりピラミッド型を両立させています。

❌ 誤った改行(名詞「版本」が分断され、上が長い頭でっかち:15文字/5文字) 我們先完成內部測試才決定讓新版 本正式上線

✅ 正しい改行(節の切れ目で分割し、下広がりのピラミッド型:9文字/11文字) 我們先完成內部測試 才決定讓新版本正式上線

実践例:12.6秒の会話クリップで見るSRT修正ビフォー・アフター

ここからは、12.6秒のサンプルインタビュー映像を例に、実際の修正手順を確認します。冒頭の0.0〜1.5秒では画面上に英語テロップ Two Years Later, Taipei[2年後、台北]が表示され、続く1.6〜9.8秒ではゲストが中国語でジョン・スミスの著書『デジタルトランスフォーメーション』の一節「重要なのはスピードではなくリズムだ」を引用したあと、「しかしチーム全体が1年目に、優先順位を完全に間違えてしまい…」と言い淀みます。最後の10.1〜12.6秒では、司会者の「それで皆さんはその後いったいどうやって調整したのですか?」という問いかけに、ゲストが「すべてやり直すことにしました」と短く答えます。元映像の尺や発話スピードを一切変えずに、修正前後の繁体字中国語 .srt を比較してみましょう。

修正前:未校正の初稿によくある例(全4字幕・6種類の典型的なミスを含む)

1 00:00:00,000 --> 00:00:00,600 兩年後,台北。 2 00:00:01,600 --> 00:00:05,400 約翰·史密斯在《數位轉型》這本書裡面曾經提過一句話, “速度不是重點,節奏才是。” 3 00:00:05,600 --> 00:00:09,800 但我們整個團隊在第一年... ...卻完全搞錯了優先順序...... 4 00:00:10,100 --> 00:00:12,600 那你們後來到底是怎麼調整的?! 我們決定全部重來。

  • 字幕1の問題点:表示時間がわずか0.60秒(最短基準0.83秒未満、CPSは11.67)しかなく、画面上の英語テロップの訳文なのに全角丸括弧 () が付いていないうえ、末尾に不要な句点 。 が入っています。
  • 字幕2の問題点:1行目が26文字と大幅に上限を超過し、音訳人名に誤って中黒 · が入り、行末にコンマ , が残っています。2行目も欧文引用符 “” と句点 。 が使われており、計40文字を3.80秒で表示するためCPSが10.53(上限9 CPS超過)に達しています。
  • 字幕3の問題点:話者は「第一年」[1年目]のあとで言い淀んでおらず一文が続いているだけなのに半角ピリオド3つ ... が付き、2行目の先頭と末尾にも3点・6点の半角ピリオド(.../......)が付けられた結果、2行目が19文字となり上限を超えています。
  • 字幕4の問題点:2人の話者のセリフが計25文字で1行に詰め込まれ、話者交代を示す半角ハイフン - がないうえ、?! の重ね使いと句点 。 が混在しています(CPSは10.00)。

修正後:Netflix繁体字中国語規定に準拠したSRT(同じ12.6秒の映像を全6字幕に再構成)

実際の動画では発話速度が固定されているため、「映像をスロー再生してCPSを下げる」ことはできません。正しい対処法は、動画の尺と発話スピードを維持したまま、画面テロップの実際の表示秒数にタイムコードを合わせ、意味を損なわない範囲で話し言葉の冗長表現を整理することです(例:「這本書裡面曾經提過一句話」[という本の中でかつて一言触れていた]を「提過」[触れていた]へ、「那你們後來到底是怎麼調整的」[それで皆さんはその後いったいどうやって調整したのですか]を「那後來怎麼調整?」[その後どう調整を?]へ簡潔化)。そのうえで長文を意味の切れ目で独立した1行字幕に分割します。

1 00:00:00,000 --> 00:00:01,500 (兩年後,台北) 2 00:00:01,600 --> 00:00:03,500 約翰史密斯在《數位轉型》提過 3 00:00:03,600 --> 00:00:05,400 「速度不是重點,節奏才是」 4 00:00:05,600 --> 00:00:07,500 但我們整個團隊在第一年 5 00:00:07,600 --> 00:00:09,800 卻完全搞錯了優先順序… 6 00:00:10,100 --> 00:00:12,600 -那後來怎麼調整? -我們決定全部重來

修正後の各字幕の文字数(記号含む)と読書速度(CPS)検算表
SRT番号タイムコード区間(表示秒数)1行の文字数1秒あたりの文字数(CPS)主な修正ポイント
字幕 10.00〜1.50秒(1.50秒)8文字5.33文字/秒英語テロップの実際の表示秒数に合わせ(≥ 0.83秒)、全角 () を付与して句点を削除
字幕 21.60〜3.50秒(1.90秒)14文字7.37文字/秒人名の中黒 ·・口語の冗長表現・行末コンマを削除し、1行16文字以内を維持
字幕 33.60〜5.40秒(1.80秒)13文字7.22文字/秒独立した字幕に分け全角かぎ括弧 「」 に変更。文中の全角コンマは残し文末の句点を削除
字幕 45.60〜7.50秒(1.90秒)11文字5.79文字/秒継続する一文の分割箇所には三点リーダーを付けず、1行16文字以内を維持
字幕 57.60〜9.80秒(2.20秒)11文字5.00文字/秒行頭の不要なピリオドを削除し、文末の実際の言い淀みを単一文字 …(U+2026)に変更
字幕 610.10〜12.60秒(2.50秒)9文字/9文字(計18文字)7.20文字/秒話者ごとに行を分けて行頭に半角 -(スペースなし)を付与、冗長語を削り単独の ? に修正

コピーしてそのまま使える「プロジェクト用字幕スタイルシート」テンプレート

複数人での共同編集や、外部の文字起こし担当者・字幕翻訳者へ発注する際、「繁体字中国語の字幕を付けてください」とだけ伝えると、担当者ごとの癖が混在したファイルが納品されがちです。案件開始時に以下の8項目をそのままコピーし、プロジェクト共通の検収基準としてカスタマイズしてご活用ください。

プロジェクト用・繁体字中国語字幕スタイルシート(発注・引き継ぎテンプレート)
仕様項目コピー&編集して使える設定例案件開始時の確認ポイント
1. 納品先とアスペクト比YouTube 16:9 長尺動画(外部ソフト字幕 SRT)/切り抜き 9:16 Reels(焼き付け字幕)字幕なしのクリーンマスター(Clean Master)を別途保管する必要があるか確認
2. 1行の文字数と最大行数16:9は1行最大16文字(記号・スペース含む)、最大2行。16文字以内は1行を維持し、2行時は下広がりのピラミッド型を優先。9:16版は1行最大12文字・1行表示中英二言語併記の場合は、英語行の上限(例:40文字)と上下の言語配置も明記
3. 読書速度と表示秒数1秒あたり9文字以下(≤ 9 CPS)。1字幕あたり最短0.85秒、最長7秒子ども向け教育動画やシニア層向け映像では ≤ 7 CPS への引き下げを検討
4. 文末・文中の句読点全編で句点(。)は不使用。行末・文末にコンマ(,)や頓号(、)を付けない。文中の節の区切りは全角コンマ , に統一(半角スペース代用はしない)チャンネル方針で文中を半角スペースにする場合はこの欄を書き換え、担当者間の混在を防ぐ
5. 三点リーダーと括弧類三点リーダーは …(U+2026)に統一し、連続する字幕への文の分割箇所には付けない。引用は 「」/『』、作品名は 《》。?! や !! は使用禁止装飾フォントで映像へ直接焼き付ける場合は、事前にそのフォントが U+2026 に対応しているか確認
6. 数字・単位・外国人名算用数字は半角、4桁の数字に桁区切りカンマは入れず、1つの数詞内で漢数字と算用数字を混在させない。外国人名の音訳に中黒 · は入れない金額を元の通貨単位のままにするか(為替換算しないか)、ヤード・ポンド法をメートル法へ換算するか確認
7. 2人会話と画面内テロップ同一字幕の2人会話は1人1行とし、行頭に半角 -(スペースなし)を付与。翻訳が必要な外国語テロップは全角 () で囲み単独の字幕にする背景で重なる雑談や、すでに繁体字中国語で表示されている画面テロップを字幕対象外にするか確認
8. 用語集と納品形式固有名詞はプロジェクト用語集(リンク添付)に準拠。UTF-8エンコードの .srt ファイルで納品し、ファイル名は プロジェクト名_zh-Hant.srt とするSRTのミリ秒区切り記号がピリオドではなく半角カンマ(00:00:01,500)になっているか確認

字幕ツールで文字数上限と句読点なし分割を自動化する方法

ルールを把握しても、実際の制作現場で最も時間を奪われるのは規定の暗記ではなく、自動文字起こしで出力された何百行もの長文から句点を消し、文字数を数え、タイムコードを引き直す単純作業です。文字起こしや編集の初期段階で「1行の文字数上限」と「句読点なしの短文分割」をあらかじめ設定しておけば、機械的な手直しを大幅に減らせます。

  • アップロード時に句読点なしの字幕分割モードを選択:Taptionを例にとると、動画や音声のアップロード時に「動画の字幕」を選択すれば、最初から画面表示に適した短文へ自動分割され、デフォルトで句読点が付かない状態で出力されます(句読点をすべて残した会議録やインタビュー原稿を作りたい場合は「通常の文字起こし」を選択します)。
  • デフォルト16文字とAI分割文字数のカスタマイズ:Taptionでは中国語・日本語・韓国語・広東語の1セグメントあたりの上限が最初から 16文字 に設定されています。さらにサブスクリプションプランでは、「字幕1行あたりの最大文字数」(アップロード設定内の「字幕あたりの最大文字数」欄)を使って縦型ショート動画向け(例:12文字)やクライアント仕様に合わせた文字数を指定でき、AIが意味の自然な切れ目で一次分割を行います。
  • エディタでのリアルタイム文字数表示・ちらつき防止・書き出し時の再分割:校正時にセグメントをクリックすると末尾に現在の文字数がリアルタイムで表示され、節を分けたい位置で Enter キーを押せばタイムコードも連動して即座に分割されます。.srt 書き出し時に、1行の最大文字数と表示時間に基づいて再分割もできます。またサブスクリプションプランなら、画面左下の「タイム編集」から「スムーズな遷移」や「すべての字幕の長さを調整」を有効にすることで、微細な隙間を自動で埋めて短い字幕のちらつきを抑えられます。

もちろん、どれほど自動分割ツールが便利でも、「この発言は皮肉だからかぎ括弧を付けるべきか」「画面上のテロップを訳すべきか」「話し言葉の冗長な表現を削っても話者の意図が変わらないか」といった文脈判断までは代行できません。まずはTaptionの自動字幕生成・文字数分割設定で文字数制限と句読点なしルールを満たした初稿を作成し、最後に上記のプロジェクト用字幕スタイルシートと照らし合わせて人の目で仕上げるのが最も効率的です。

よくある質問

繁体字中国語字幕の「1行16文字」には句読点やスペースも含まれますか?

はい、含まれます。Netflixなどの配信プラットフォームにおけるタイムドテキスト規定や大半の字幕QCツールでは、漢字だけでなく、全角記号(疑問符、かぎ括弧、書名号など)、半角英数字、半角スペースもすべて1行の文字数および1秒あたりの文字数(CPS)にカウントされます。たとえば1行の中に書名号《》1組とかぎ括弧「」1組が含まれる場合、この4記号だけで4文字分の枠を使うため、実際に入れられる漢字は残り12文字になります。

字幕の文中は全角コンマ(,)と半角スペースのどちらで区切るべきですか?

納品先によって異なります。Netflix『繁体字中国語タイムドテキストスタイルガイド』に準拠してソフト字幕を納品する場合、公式規定では全角の中国語句読点を使うことが定められており、禁止されているのは「行末・文末にコンマ(,)や頓号(、)を付けること」のみです。そのため、16文字以内の行であれば文中の節や引用の接続に全角コンマを残し、上限を超える場合は改行または次の字幕へ分割します。一方、台湾のテレビ番組やYouTubeチャンネル、焼き付け字幕では、文中のコンマを半角スペース1つに置き換える慣習も広く定着しています。プロジェクト用字幕スタイルシートで事前にどちらか一方を指定し、動画全体で統一すれば問題ありません。

中英二言語字幕の1行あたりの文字数上限はどのくらいが目安ですか?

二言語字幕では「上段に繁体字中国語、下段に英語(または上段に主言語、下段に副言語)を置き、各言語1行ずつ・画面全体で合計2行以内」に収めるレイアウトが一般的です。実務上は繁体字中国語を1行14〜16文字以内、英語を35〜42文字以内(スペース含む)に抑えたうえで、訳文を簡潔にまとめるか表示秒数をやや長めに確保し、視聴者が2言語を無理なく視線で追えるように調整します。

話者の長い一文を2つの字幕に分割するとき、間に三点リーダー「…」は必要ですか?

不要です。話者の発話が途切れず続いており、明確な間(ポーズ)や割り込みがないにもかかわらず、単に1行の文字数上限を超えるために前後の連続する2字幕へ分けただけの場合は、1つ目の末尾にも2つ目の冒頭にも三点リーダーやダッシュを付けてはいけません。三点リーダーを使うのは、言い淀みやためらいの間がある場合、話の途中で遮られた場合、または画面テロップの挿入によってセリフが分断された場合のみです。